40代薬剤師が副業を考えるなら、最初に知っておくべき現実的な話

Life(暮らし)

こんにちは。

FP×薬剤師の『じんじん』です。

前回は私じんじんが「このままじゃまずい」と感じたときのことをご紹介しました。

ひとことで言えば、「お金の不安が大きいのに、解決策の選択肢が少ない」という現実に直面したということでした。

これを書いているのは2025年末ですが、少し前から「副業」がブームになっています。

これは、国が副業を進める方向に政策の舵を切ったことが大きな後押しとなっています。

そして、SNSなどでは「簡単に稼げる副業◯選」とか、「誰でも副業で月収◯円」といった情報が数多く紹介されています。

お金の不安に対する解決策の1つとして「副業」を考えてみたくなりますよね?

40代薬剤師が考える副業

主要な検索エンジンで「薬剤師 副業」と検索すると、それだけで色々な情報が目に飛び込んできます。

SNSでも同様にたくさんの副業に関する情報が溢れています。

そして気になったwebページや投稿を見ていくと、「これならできそう」と思うものがみつかるかもしれません。

具体的には

  • メディカルライティング
  • 医療系講師
  • 医療系文書の翻訳
  • 医療情報発信のYouTube
  • スポット勤務(夜間や休日などの薬剤師)

その他、薬剤師とは無関係なアルバイトなども候補に挙げることができます。

いずれにしても、それまでの自分の経験や培ってきた能力などが活用できそうな上、月に数万円かそれ以上を目指すことが可能に思えます。

これはお金の不安が大きくなっている人にとっては大きな希望の光に見えます。

月に数万円でも自由になるお金が増えれば、子どもの教育資金や自身の老後のために貯蓄したり、投資に回してみたり、あるいは自分や家族へのご褒美に少し豪華な食事をしたり…。

数ヶ月分もあれば旅行にも行けるかもしれません。

ちょっと副業が魅力的に見えてきますよね。

薬剤師の副業はなぜ失敗しやすいのか

しかし、がっかりさせるようで申し訳ないのですが、薬剤師で副業に挑戦したものの、失敗してしまう人が少なくないのも現実です。

まず、管理薬剤師である場合は、薬機法との兼ね合いで基本的には他の薬局で勤務することができません。

また、公務員の方も法による制約で原則として副業ができません。

これらの立場でない薬剤師であれば色々とチャレンジできそうですが、実際には一筋縄ではいかないようです。

ここから先は、「薬剤師として本業とは別の場所で働く(=スポット、アルバイトなど)」以外の副業について考えてみようと思います。

はっきり言います。

「薬剤師の副業は失敗しやすい」です。

これは薬剤師だけではなく、他の医療系の有資格職でも同じ傾向がありそうですので、ご自身の職業に読み替えていただいて結構です。

薬剤師の副業が失敗しやすい要因を考えてみましょう。

  1. 時給で考える
  2. 法的な壁にぶつかる
  3. 副業に費やせる時間が少ない
  4. 慎重であるがゆえに踏み出せない
  5. 完璧な準備を整えてから始めようと思う

時給で考える

副業は収入を増やすことが目的ですから、どうしても得られる金額が気になります。

例えば初めてのwebライティングだと、1文字あたりの単価が1円程度ということもありえます。

5000文字の記事を書くのに3時間かかったとしましょう。

これを時給換算すると…

5000文字 ✕ 1円 ÷ 3時間 = 1666.67円

つまり時給1700円弱ということになります。

ライティングの準備にリサーチなども行うとすれば3時間では終わらない可能性が出てきます。

そうすると時給としてはさらに下がることになります。

本業の給与を時給に換算すると、「こんな低時給じゃやってられないよ」となりますよね。

法的な壁にぶつかる

薬剤師としての知識や経験を活かして誰かの役に立って報酬を得ようと考えるかもしれません。

しかし、薬剤師として情報を発信したり、コンサルティングのような相談業務を行ったりする際には、薬剤師法や薬機法など遵守すべき法が存在します。

薬剤師として臨床での業務を中心に行っていると、関連法規が存在することは知っていても、何がどこまで許されていて、なにが許されていないのかといった部分までは意識が向きづらいのではないでしょうか。

副業で法に違反してしまい、本業にマイナスの影響を及ぼしてしまうリスクを考えると、ちょっと躊躇ってしまう方も少なくないでしょう。

副業に費やせる時間が少ない

繰り返しになりますが、40代となると家族がおられる方も多いと思います。

1日は誰にでも平等に24時間あるわけですが、その中で自分の自由に使える時間はいったいどれくらいあるでしょうか?

私自身のことで申し訳ありませんが、SNSで見かける「朝活」ができるほどの精神力はないですし、睡眠時間も決してショートスリーパーではありませんので、1日の活動時間は朝の6時くらいから夜の23時くらいでしょうか。

その中で8時30分から17時までは仕事ですが、通勤に往復で1時間程度かかります。

急な入院への対応などでの残業もあり、帰宅が20時を過ぎてしまうこともあります。

さらに、当然ですが食事、入浴などの時間も必要ですから、ざっと計算しても1日の中で使える時間は3時間くらいになります。

この3時間をすべて副業に費やして良いのか。

家族との時間だって必要です。

少しですが家事だってやります。

そうすると平日に副業のために捻出できる時間がほどんどないことになります。

じゃあ休日は?ということになりますが、生活していれば平日にはなかなかできない家事や地域の行事、子どもがいれば部活や習い事への対応、さらには自己研鑽という名の研修会への参加など、休日だからといって決して時間に余裕があるわけではありません。

それに、休日には体調を整えるという大事な役目もあります。

もちろん、副業のために時間をやりくりして、必要な時間を捻出し、効率よく副業に取り組むことは大切です。

でも、やっぱり限界ってものがあるんじゃないでしょうか。

いくら経済的に豊かになるための副業であっても、家族との空間や時間、体験をあまりにも蔑ろにするとそれは家庭内の不協和音や不穏な空気につながりかねません。

慎重であるがゆえに踏み出せない

私の個人的な印象ですが、薬剤師の多くが”慎重派”ではないでしょうか。

仕事柄、なにごとも勢いでやってしまうというのは避けるクセがついているのかもしれません。

これは副業を考えるときにも関係してきます。

「とりあえずやってみよう」というのが苦手であり、まずはしっかりとして計画を立てないと進めません。

さらに、計画を立てるにあたっても、その副業を取り巻く情勢や、将来的な見通し、実際にやってみるときに障壁となりそうなこと、リスクヘッジの方法…と、色々と心配なことが出てきます。

これらをリサーチして納得しないと計画を立てることさえ難しく感じます。

何事も慎重に進めることは決して悪いことではありませんし、とても大切なことです。

そして薬剤師という職業にとっては必須のスキルとも言えます。

しかしこれが「副業を始める」というタイミングにおいてはなかなか一歩が踏み出せない原因となってしまうのです。

完璧な準備を整えてから始めようと思う

「慎重であるがゆえに踏み出せない」と似ているのですが、完璧な準備を整えようとするところも薬剤師らしさかもしれません。

例えば、webライティングに取り組もうと思ったときに、まずはライティングスキルを身につけるため、参考になりそうな本を数冊読もうとする。

あるいは、YouTubeでの情報発信をするために、動画編集のweb教材でしっかり学ぶところから始める。

薬剤師としての知識を使ったコンサルティングのような相談事業をやってみようと考えて、コンサルティングやコーチングの勉強をして、その後は中小企業の経営や財務を理解するために簿記を勉強して、それから…。

どれも責任ある仕事を果たすため、あるいは仕事を任せてもらうために、しっかりと準備をすることであり、とても良いことと言えそうです。

しかし、これでは永遠にスタートを切ることができません。

なぜなら、学べば学ぶほど自分の知識や技術の足りなさを自覚するからです。

まったく何の知識も技術もないのに、「〇〇ができます」といって宣伝して仕事を得るのは詐欺まがいの行為ですので許されませんが、100点じゃないといけないというものでもありません。

自分が何かしらの仕事を依頼する立場で考えてみてください。

100点の成果が必要な仕事であれば、副業を始めたばかりの人には依頼しませんよね。

そういうときは大きなお金を払って、大手一流のプロに依頼するはずです。

ですから、副業は副業らしく、初心者は初心者らしくスタートを切れば良いのです。

だけど、悲しいかな薬剤師という職業の完璧主義的な性質からでしょうか、完璧な準備が整うまでスタートを切れず、つまりは永遠にスタートを切れない人が圧倒的多数なのです。

40代からの副業で大切な3つの視点

まずはやってみる

最速で成功する方法は、最速で始めて、最速で失敗して、最速で修正することです。

最低限の知識と技術を学んだら、まずはやってみましょう。

これまでの本業での知識と経験だけでスタート可能なものもあるでしょう。

そのうえで、壁にぶつかったり、失敗したときにはそれを謙虚に反省し、改善につなげていけば良いのです。

時給換算しない

時給換算してると割に合わないという気持ちが強くなります。

軌道に乗るまでは時給で考えるのはやめましょう。

本業でも考えてみてください。

薬剤師に限らず、医療系の有資格職の場合は、いまの労働時間と給与だけに目を向けず、その資格を取得するまでに費やした時間や労力、コストも含めて考えてみましょう。

そうすると、いまの労働時間と給与から計算される時給とはまったく違った金額になりますよね。

いつの日か、副業が本業を超える充実感や収入を生んでくれることを想像するにとどめておきましょう。

使える時間を考慮する

当たり前のことですが時間は有限です。

仕事や生活の効率を上げて時間を捻出することはとても大切ですし、副業をするには必須です。

しかし、そのために睡眠時間を削りすぎたり、家族との時間を犠牲にしたり、あるいは常にタスクに追われる生活をしたり…。

これらはあなたが副業で目指す姿でしょうか?

時間をたくさん使えれば、それだけ副業は捗るかもしれませんし、収入も増えるかもしれません。

ですが、あなたにとって「健康を損なわず、豊かな暮らしを送りながら作り出せる時間」を活用してください。

その時間は人によっては1日2時間かもしれませんし、週に2時間かもしれません。

それでも、持続可能であることは何よりも優先されるべきです。

副業は人生を壊さないためにやるもの

副業は生活や暮らしを豊かにするためにやるものです。

副業に取り組んだ結果、体を壊し、時間を失い、家族との関係が悪化し、そして経済的にも豊かになっていない。

そんな状態になってはまったく意味がありません。

副業はあくまでも「副」であることを忘れてはいけません。

中には副業があまりにもうまくいって、本業を上回るほどの充実感や収入を得る人もいるでしょう。

でも、そんな人はごくわずかで、多くの人にとって「副業」は「副」なのです。

今回は40代薬剤師の副業事情について、どちらかというとネガティブな内容を中心に書いてきました。

ですが、これが現実です。

次回以降は、もう少しポジティブな内容を書いていけたら良いなと思いますので、お付き合いいただけると嬉しいです。

ぜひ、豊かな暮らしを手に入れる日を目指して一緒に歩んでいきましょう!

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